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2014年08月30日

カウンターのお仕事完了です。

前回のブログ「実は初のカウンターのお仕事です。」から随分経ちましたが、先週お店のお盆休みに合わせてカウンターの工事が終わりました。



これが完了の図。
5.4mのカウンターに合わせた、継ぎ目のないひな壇(「つけ台」とも云います)。
まるで変っていない?と思われるかもしれません。とくに木目も目立たないし、
実際にお客様でも気づかれないかたもいらっしゃるようです(笑)

以前は濡れても良いように、本物の木ではなく、塗装も施されたひな壇でした。
今回は下のカウンターに合わせた無垢の無塗装のイチョウ、
そして下のカウンターでも2枚の板をつなぎ合わせているのですが、
今回のひな壇は5.4m、つなぎ目のない一枚板です。




工事に入る前に、まずは製材した木を見に行きました。
イチョウの材は親戚の木材市場から。
今回製作をお願いしたのは、大川市と佐賀県の境にある諸富町にある「ウッディプロダクト」さん。
能の野外舞台も作られたこともある岸さんにお願いしました。
2枚の板を組んで作るため、板の向きやどちらの板を上面にするかなどを検討。

ひな壇の加工は取り付け工事の直前におこなわれます。
木の特性で、あまり早く加工をして放置しておくと、反ったりすることがあるからだそう。



3日前にはひな壇の大きさや角度の確認のため、別の材でサンプルが到着。最終確認です。



工事はお店のお盆休みの3日間で行いました。まずは既存のひな壇を撤去です。
両サイドの壁もほとんど傷つけることなく、きれいに取れました。



翌日に新しいひな壇到着。
5.4mもあるため、お店の入口からは入れられないため、
横の窓を一度はずし、お店の前の道路を大きくさえぎりながら?
なんとか挿入しました。お店を新築するときは、カウンターのような長いものは
先に入れておいて、あとから壁を造作すればよいのですが、
リノベーションなどでは搬入経路は重要な問題。
しかし何よりも職人さんの
「無垢でつくるんだから、継ぎ目なしでいきましょう」
という心意気があったから、それが可能になってよかったです。

現場に到着したら、なるべく両サイドの塗り壁に傷をつけず、綺麗におさめるために大工さんの指示が。
「5mm切って!」
すでに組みあがった大きなものをしかも端からほんの5mm切るのは至難の業では?と思っていたら、



家具職人さんがいとも簡単にのこぎりでまっすぐに切っていきます。



その5mmの断面を大工さんが壁に当てて、今度は壁に切り込みを入れ、



大工さんの号令で家具職人さんたちと息を合わせ、壁にひな壇を挿入し、



ストン、と見事に納まりました。私は見ていただけですが。
簡単に見えて、なかなか難しい、しかも失敗は出来ない、
さすが、職人の技です。




そのあとは、ひな壇をしっかり固定していきます。
木の力は強いので、後々反発しないように上からと横からも突っ張り棒を立ててしっかり押さえた後、ビスで固定する、というのも大工さんの経験からくる知恵。
私自身も大変勉強になります。




今回は以前と同じ形のものを新しく作るという、
「目に立たず」良い仕事をする、というのが課題でしたが、
後日お店のご主人より
「やっぱり綺麗ですね。カウンターの中から見ていると全然違います」
と言って頂き、ほっと一安心。

開店10周年という区切りにお店の一番大事なカウンターのお仕事を任されたことに感謝です。
本物の素材にこだわったお店にふさわしい、無垢そのままの素材で
お店の思いがますますお客様に伝わりますように。


  


2014年06月26日

実は初のカウンターのお仕事です。

このブログでもカテゴリーで作っているくらい、
いろいろなお店のカウンターを見るのが好きな私。
今回は作るお仕事です。




久々の木のコーディネート。
福岡市中央区薬院にある寿司割烹のお店です。

ご主人とはもう長いお付き合いなのですが、
気さくでありながら細やかで行き届いた心遣いと
こだわりの旬のお魚、お鮨はさすがに評判を呼び
最近では海外からも予約がはいるほどの人気店に。



厳密にいうと今回はこのカウンターの上にある,鮨を載せる「ひな壇」を
それまでの塗装を施したものから、本体のカウンターと同じように
本物の無垢の材で作り直したい、というご依頼を受けました。

本体のカウンターは厚さ20cmくらいはありそうな、一枚ものの立派なイチョウ。
あえて無塗装にしているため、毎日営業後に日本酒をかけて
大事に手入れを行ってこられた思い入れのカウンターです。
それならばひな壇もやはり材質は同じイチョウでいきましょう、
ということになりました。

もともと十分素敵で洒落た作りのお店ですが、
お店を開店して今年で10周年ということで
素材にこだわるお店だけに、これを機にひな壇も
ホンモノの材にしたいとのご主人のお考えです。




とは言っても一度出来上がっているものを作り直すのは
意外と簡単ではありません。
既存のカウンターは残しながら、ひな壇を取り壊し、新しく作ったひな壇を設置する。
壁に挟まれているため、壁への取り付け方、補修も含めて
大工さん、左官さんと現場で検討。



こちらは家具職人さん。
採寸しながら、どのように木を組み合わせて作るかも検討します。
無垢の木、しかも塗装もしませんので仕事のごまかしがききません。
今回は特に良い材料の扱いになれた職人さんをお願いしました。
これまでの10年の使い勝手も考慮し、
作るのは難しいのを承知で、既存のひな壇と同じ傾斜、細工で作っていただきます。

こういう仕事は職人さんの経験と知恵が何よりもたより。
よろしくお願いいたします!

私は、といえば、お店のご主人のイメージや思いが
そのまま実現できるように、木の材料をはじめ
仕事全体のクオリティーを保つこと。
そして、理想としては、新しくできるひな壇が
なんの違和感もなく、まるで昔からあったかのように
しっくりおさまること。
これも大事なコーディネートです。


リノベーションなどでガラリと新しいモノに作り変えることも楽しいのですが、長い間大事にしてきたものを維持して「目に立たない」けれどよりよいおもてなしをしたい、というお店の思いを大切にすること、それが今回のテーマです。
これからもブログで経過をご報告していきます。







  


2014年04月03日

貫禄のローズウッドカウンター:帝国ホテル「Old Imperial Bar」



少し前に東京に行った際に、あこがれの帝国ホテル「オールド・インペリアル・バー」を訪れました。
この日は伝説の“ステーキサンドウィッチ”を食べに。


昼でもこの雰囲気。
夜は常連のお客様がずらっと並び、ちょっと気後れするのですが、
昼、ここでランチは穴場です。

ご存じフランク・ロイド・ライトが設計した旧帝国ホテルの建物にあったバーを
そのまま残しているのですが、カウンターは手入れが行き届き、
今でもキズ一つなく艶めいていて、そこにピンスポットがシャープに並ぶ姿は
それだけでバーのかっこよさ、ダンディさ満点です。


ちなみにカウンターはローズウッド。(バーテンダーさんに木の種類をお尋ねしたところ、奥に引っ込まれて確認後に回答が。あまりこんな質問はされないんでしょうね(笑))
さすが!カウンターにこだわるお店は数あれど、ローズウッドはなかなかない。
ローズウッドと云っても色々種類はあるのですが、西洋で云うローズウッド、
いわゆるブラジリアン・ローズウッドは
今ではワシントン条約の絶滅危惧種に指定されているぐらい貴重な木材。

・・・それにしても昼間からビールです。
そういうビール付きサンドウィッチセットがあったのでつい・・・


バックバーに目を転じると、ライトの特徴であるマヤ文明の影響を受けたデザインの木彫のレリーフ。
昔の帝国ホテルの雰囲気がこのモチーフからも感じられる。


そして石で形づくられた六角形のシェルフ。シンボリックですね。


椅子やスツールの座面の形も六角形。
カーペットや照明のデザインもいかにもライトらしい。いいですね。




石や木、そして灰皿やグラスにいたるまで、すべての素材にに施されたライトのデザインは今でも忠実に守られています。
当時のままを体感出来るのは貴重なこと。
これは老舗だからこそ出来ること。維持することへの誇りさえ感じます。


そしてこのメニューも。添えられたマスタードひとつとっても、バーテンダーさん達が伝統のレシピで手作りで作られています。



昨年創業90周年を迎えた帝国ホテル。
年月を経てこの貴重な遺産がいつまでも存在し、そしていつまでもあらゆる人に開かれた場所であり続けて欲しいと願ったのでした。




  


2012年05月19日

ブラック VS ホワイト美長カウンター

今週はどちらも6~7mという、しかも美しいカウンターのバーに出会いました。








まずはブラック、というわけで、
一件目は福岡市白金にある、
bar 永田。
「すごいカウンターの店があるんだよ」と
連れてきていただいたのですが、
予想通り、立派なブビンガの
カウンターです。
大人の隠れ家、といった雰囲気。

実はこのブビンガ、普通の塗装だと塗料がはじかれやすく、
表面がバリバリになって困っているお店もたまに見かけるのですが、
ここの塗装はそれを考慮されていると思える、
念には念をいれた仕上がり。



バーは一軒家、まるで由布院に来たような、静かで落ち着く空気感。
福岡の真ん中にこのようなバーを作るのは、ある意味贅沢。
しかも、この一軒家にどうやって7mのカウンターをいれたのでしょうか?
そう思うと、あらためて、お店作りのこだわりを感じさせられました。







うって変わって、ホワイトのカウンターのお店は
夕方から飲めるという、
カジュアルなスタイル。






これまた美しいイチョウです。
福岡市薬院にあるワインバー、PONVINO(ホンヴィーノ)。
高級なお鮨屋さんでも、こんなに立派な
カウンターなないのでは?






 
ちょっとマニアックに見てしまいましたが
厚みもスゴイです。
「たまたまいいタイミングで見つかったカウンターなんです」
とおっしゃるオーナー、何気にソムリエさんだったりして、
その見せないこだわり、しっかりカウンターにあらわれてます!!


実に対照的なこの2店。
こだわりをどこに置くか、どう見せるか、
カウンターは面白いほど、それを語っています。  


2012年04月26日

古材のカウンター~ブリティッシュパブSei(福岡市平尾)

前回のブログでは、いわゆるオーセンティックなバーのカウンターを
お伝えしましたが、
ここのカウンターも、別の意味でこだわりが楽しいカウンターです。



ここは私のもう一つのブログ「福岡カスレ協会」でも紹介したことのある
British Pub Sei。ここのオーナーバーテンダーの坂平さんが
イギリスで買い付けてこられた古材でで出来たカウンターなのです。



おそらくオーク。
イギリスのパブをそのままに再現した店内、
しかもアンティークのものでなければ
出来ない雰囲気です。
これもまた、ある意味贅沢。
このオークの木も、はるばる海を渡って福岡の地で
カウンターに生まれ変わるとは思ってもいなかったでしょうね。

パブの看板などインテリアものも
自ら買い付けてこられたもの。
イギリスでアンティークマーケットを巡り、買い付けをしては
店内を飾るというだけあって、そのこだわりはすごい。
お話を聞くと、そのブリティッシュ好きの情熱には
イギリスに住んだことのある私も感心します。
その愛情がお店作りにつながっている。
やはりお店の個性はヒトの個性が出てくるもんなんです。
おもしろいことに。


もちろん、お酒にもこだわりがあります。
以前にここのジン・トニックがとても美味しかったと書いたこともありますが、(詳しくは私のもうひとつのブログ「福岡カスレ協会」の記事「半径150mハシゴ4軒」をご覧下さい。)ウィスキーも、そしてフードも!シェパーズパイなど、日本では知る人ぞ知る?イギリスの代表的なメニューをちゃんと作っているところも、マニアックにウレシイ!
毎回ウィスキーのこと、お店のパブグッズのこと、
そしてイギリスの事など
いろいろ質問させてもらうと、
次々を引き出しが開かれる。
こういうやりとりが
バーの楽しみでもあります。

話をしているうち、本当にイギリスに行きたくなってきました!


  


2012年04月23日

オールブビンガの迫力~バー・パルムドール (福岡市大名)

福岡市大名にあるBar Palme d'or。何年かぶりの訪問です。
ここは私のもうひとつのブログ「福岡カスレ協会」のカテゴリーにある
「ピートのおけいこ」でウィスキーを楽しませていただいている
Seven Seas Bar(福岡市大名)の系列店。



バーでは憧れのカウンター材、ブビンガです。
美しい。しかもカウンターは長さ5~6m、幅が余裕で70-80cmは
ある。まさにオーセンティックなバーの象徴のようなカウンター。
木目のさざ波を見ているだけで、いいカンジに酔えそうです。

ブビンガはアフリカのマメ科の木で、この細かくて強い木目と
深い色合いが人気の理由。
ちょっと変わったところでは、日本の大太鼓の胴に使われたりするのだそうです。
以前はケヤキが使われていましたが、日本には今、それだけの大木のケヤキがないから、という理由だそう。

それにしても、店内、全部ブビンガで覆われています!



奥のテーブル席。壁はおそらく無垢ではなく、突き板(木材を薄くスライスし、表面に貼ったもの)とは思いますが。

このこだわりの店内、もちろんバーとしても福岡では有名です。



実はこの日は
私のおけいこの先生、バーテンダー・遠藤さんより御案内をいただいたので
なんと陽の高いうちから「ウィスキーの試飲会」でやってきたのでした。
真剣な表情で試飲をする方々、
おそらく業界の方ばかりです。










ウィスキーと木、どちらも
年月をかけて成長し、深みを増していく。
どちらも奥が深くてまだまだわかりませんが
おもしろい、そしてカッコイイ世界です。  


2012年03月06日

九州産一枚板カウンターでSTARBUCKS~福岡市大濠公園

以前に福岡県太宰府に出来たスターバックスのことを書きましたが
(詳しくは「隈 研吾 設計のスタバ(福岡県 太宰府天満宮参道)」で)
このスタバはそれ以前に出来ていたものの、
同じ九州産の木材を使っていながら、
違うアプローチの「九州のスタバ」です。



店の中央に厚み15cmくらいはある杉(だと推察。違っていたらごめんなさい)のカウンター。
長さも4-5mあります。
いわゆる「耳」という、木肌の部分も残されていて、カウンターだけ見ると和風なのですが、
それが周りのシンプルなインテリアにいいバランスで存在している。



(写真右上)太宰府のスタバは同じ杉を角材にして、それを組んで壁を装飾していましたが、比較するとおもしろい木材の使い方。


この店舗は全国のスターバックスの中でも、数件ある「コンセプトストア」のひとつ。
公園内にあることから、建物の材料が地産の木材であることや自然光を取り入れた作り、
リサイクルなどエコをテーマに作られている、ということです。



外観のデザインも周りに配慮した、景観を損ねない低い作りですね。





ここ大濠公園は福岡市の中心にあり、
散歩やジョギングコースなどもあり、
ほとりには能楽堂や市美術館もあります。
市民の憩いの場として愛されています。
  


2011年11月07日

ブビンガカウンターで蕎麦~蕎麦ひら川(福岡市薬院)

もうひとつの私のブログ・福岡カスレ協会の
「1週間外食スペシャル」の中で最後に行ったお店、
蕎麦ひら川。
お店そのものも、お蕎麦やてんぷらを夜11時まで食べられる
“こんな店が欲しかった”ところなのですが、
雰囲気も同じくらい、嬉しくなるお蕎麦屋さんです。



ビールのおつまみに蕎麦かりんとうをつまみながら、
ふと見ると、カウンターはブビンガではありませんか!
バーでこぞって欲しがる、アフリカ原産の樹木。
木目の柄が強くて、ダンディな印象の木です。

お蕎麦屋さんは蕎麦の素材にこだわるだけに、内装の材料も
こだわるところが多いのですが、こちらはテイストがモダン。



カウンターから外を眺めたところ。
椅子はウェグナーのYチェア。
床や壁も、石や土や和紙などさまざま、でもすべて本物の素材。

純和風ではないところが、ちょっと気楽で居心地良くて、
ついついお酒もすすんでしまうお店です。



  


2011年10月31日

昔からのケヤキのカウンター~西鉄グランドホテル(福岡市)

福岡の老舗ホテル・西鉄グランドホテルのバー「グロット」。
リニューアルされて素敵になったと聞いたので。



それまで、喫茶のラウンジだった場所にバーが移動、
以前のバーと違うのは、窓に面しているところ。
ボトルの向こうの中庭の滝を眺めながら、一杯飲めます。

福岡市の中心、天神の西通りの入り口から入ってつきあたりのこの場所は
家族で来たり、友達との待ち合わせにもよく使っていました。

ちなみに
「ここでお見合いをすると、破談になる」
とのジンクスもありました、余談ですが。
(これは私の個人的な経験談ではありません。
バーの方もちゃんと、そうおっしゃってましたよ!)
それだけ、利用されていたという、
福岡の人にとっては長年愛着のある、この滝の見える場所。

うれしいのは、リニューアルをしたといっても、
以前からのバーカウンターとバーチェアを
つかっているところ。



材はけやきです。削りなおして、以前のキズや焦げた跡を
きれいにし、塗装もしなおして
美しく生まれ変わっていました。
バーチェアも以前からの常連さんのために
座りなれたものを張りなおして使っています。

このカウンターの特徴は、腕を置く、このカーブ。
お客様の心地良さにこだわったカウンターの形。
大きくえぐられた形状なので、この部分だけは一枚板ではなく
集成材にしたものを削りだして作られています。

リニューアルして人気のため、満席のこともしばしば。

天神の真ん中に、新しい空間で老舗のサービスが楽しめる大人の
居場所が出来ました。  


2011年09月26日

シポという木のカウンター~Bar ugle(福岡市薬院)

初めて見る、知る、カウンターの木、



樹種を尋ねると、
「シポ、というアフリカの樹です。」

調べたところ、前回のブログ「無垢テーブル・4年ぶりの再会」
センダンと同じ、センダン科の木ということがわかりました。
もともと私は、丸太一本分買うほど、センダンが気に入っているので
なんだか、急に親近感がわいてきます。

それにしても、このカウンターの圧巻なのは、



直角に板どうしをつなぐ、その継ぎ手。
ジグゾーパズルのように、
たがいの形にカーブを切り抜き、合わせる。
珍しい材、しかもミスが許されない継ぎ方です。

普通は「無垢テーブル・4年ぶりの再会」のテーブルに使ったような、
蝶ネクタイ型の「ちぎり」という形のものを両板に埋め込むのが
一般的。
デザインのこだわり、心意気が伝わります。



柿沼守利氏デザインの空間に
デザインの優れた椅子が並ぶ。
隣接の北欧家具ショップのオーナーが経営する
バーugle(ウーグル)。

いつも羨ましく見上げる、
ルイスポールセンの照明の名作、
アーティーチョーク。
その吹き抜けから下りてくる、
心地よいスピーカーの音を楽しみながら
美味しいお酒を楽しみます。

  


2011年06月24日

まさか、のイチョウのカウンター

今回のBar SADI DAKARの新装工事では、
以前からそこにあったカウンターをそのまま活かす事が
大前提でした。

無垢のカウンター。よく木目のつまった、この素材は何?
とずっと気になりながら、表面を研磨&塗装してみると



イチョウだったことが判明。
高級和食店や高級すし店では定番カウンターの一つであるイチョウ。
そのイチョウのカウンターにまさか、ここで出会うとは。

工事前の内装はスナックのようでしたが、
そのオーナーのこだわりなのか、
それとも、その前のお店のものなのか。

今となってはわからない、その所以。
それでも、カウンターは引き継がれていくのでした。  


2011年05月18日

正統派バーのカウンター~バー・セブンシーズ(福岡市大名)

先日もう一つの私のブログ「福岡カスレ協会」で紹介した、
「魚→焼き鳥→バーをハシゴ」のバー、Seven Seas。



数々の受賞歴がある、バーテンダー・遠藤さんのカクテルは
味やセンスだけでなく、その日のお客様の状態まで見極めて
一杯を作りだす、スゴイ方です。

写真のカクテルは、パリのホテル・リッツの「バー・ヘミングウェイ」の
オリジナル、「フレンチ75」。正直、本場より格段に美味しいです。

で、このオーセンティックなバーのカウンターは何かと尋ねると
「アサメラです。」
という返事が。そして、

「もう、今ではブビンガが手に入らなくて。」

との話。ブビンガという木は、やはりバーでは特別な存在のようですね。
でも、この一枚板も決して見劣りしない美しさ。

アサメラは別名、アフロルモシア。
ブビンガと同じ、アフリカ原産のマメ科の木。

アフリカンチークとも呼ばれていて、
言われてみると、なるほど、ブビンガより
木目の縞がやわらかで、緻密なカンジです。

今日もピカピカのカウンターで、極上の一杯が
生まれています。

  


2011年04月27日

湯布院のバーといえばここ、のカウンター~バー・ステア

湯布院バーシリーズの最後は、Bar Stir。
福岡から日帰り出来る湯布院に
あえて泊るのは、このバーを訪れるため、
と言っても過言ではない。



前回紹介した、
「さりげなく、癒される宿のバー~ニコルズバー(大分県湯布院)」
にいらっしゃった、バーテンダーの岩本さんが
帝国ホテルのバー時代の同僚の松村さんと
最高のコンビを組んで湯布院に構えているお店です。



長さ7mあまりの立派なカウンター。
ビルの2階にあるお店にはなんと外からクレーンで搬入したのだそう。

材質は楡(ニレ)。(岩本さんは「楡けやき」とおっしゃってました。)
北海道や本州に主に分布している木で、
九州ではあまり見かけない木材です。
落ち着いた色合い、透明感のある輝きと
緻密だけどやわらかな木目模様。
このお店を象徴するような、品のよい一枚板です。

美しい木目でこんなに長い一枚板のカウンターはなかなかない。
湯布院で木の器などクラフト製品を作っている「アトリエ トキ」
の方が見つけた逸品だそうです。



今日のハイボールはこのウイスキーで。
岩本さんが、前や前々回に訪れた時とは違うモノを、と
チョイスして下さいます。

ここの魅力はバーテンダーお二人の
帝国ホテルクラスのおもてなしと
豊富な経験と知識の引き出しから、
訪れるたびに、少しずつ、開いて見せてくれる
さまざまな話題。

でも、地元の人も気軽に楽しんでいる雰囲気が、うれしい。

また、お酒と帝国レシピの「クロックムッシュ」を
楽しみに伺います。  


2011年04月24日

さりげなく、癒される宿のバー~ニコルズバー(大分県湯布院)

前回に引き続き、
湯布院バーシリーズ。二件目は
有名旅館「湯布院 玉の湯」のNicol's Bar。
ここも泊り客以外でも利用できます。

バーの名前は、この宿の常連で、
イギリス人の作家でナチュラリストのC・Wニコルさんにちなんで
名付けられたのだそうです。



窓の外はこの宿のエントランスの雑木林。(暗くて見えませんが)
ごく自然な茂み、でもそれが訪れる人を癒すための
巧みな「演出」なのです。



ここのカウンターは奥行きが90cm近くあるのでは?
樹齢何年の木だったのか。
樹種は栓(セン)、との事。落ち着いた色合いがいい。

センは北海道から九州にまで分布する樹木で、時々見かけますが、
バーのカウンターとして使われるのはめずらしいかもしれません。

透明感のある美しい木目のカウンター、
決して広くはないけれど、土壁の店内のあたたかい雰囲気で
吟味された素材のカウンターでジントニックを飲む。

気持ちが鎮まる、安らげる空間です。  


2011年04月20日

湯布院バーで昼下がり~Bar Barolo(大分県湯布院)

春めいてきたので、湯布院に出かけました。

いつも立ち寄る「Bar Barolo(バー・バローロ)」。
「おやど 二本の葦束」併設のバー。宿泊客以外も利用できます。

行くとかならず
「おかえりなさいませ。」
と迎えて下さるのがうれしい。



古民家を移築した建物は、おばあちゃんの家を思い出す。
初めて行っても、懐かしい場所にもどったような心地です。
目の前にせまる杉の林の緑を眺めながら、
ほの暗い空間で、ゆっくりと暮れていく時間をお酒と共に味わいます。



ここのカウンターはブビンガ。バーでは人気のカウンターの樹種。
アフリカのマメ科の木で、その色合いと暗色の縞が
ダンディな雰囲気を出してくれます。

ちなみにカウンターの上にあるヒュミドールは
あのカルティエ製。まさに「宝箱」がカウンターとともに
バーの質の高いこだわりを見せてくれています。

古い建物にブビンガのロングカウンター、
暖炉があり、その前にはボリュームのある
黒革のソファ、
ここはまさに“オーセンティック・バー”



そしてこのロケーション、
都会のバーもかなわないものが、ここにはあります。

  


2011年03月25日

ケヤキのカウンターで男のフレンチを!~アニオン(福岡市天神)

「男のフレンチ」と名乗るだけあって、
メニューもガッツリなら、
カウンターもダンディーです!



立派な木目のケヤキのカウンター、
バーにあったら、このカウンターだけで
一杯飲めそうです。

AGNION(アニオン)とは、シェフの本田さんの
お父上の洋食店から引き継いだ名前。

ハンバーグが絶品というのも、ガッツリ系男子好みといったカンジ。
ただしこの日は食べなかったのですが。
(何を食べたかについては、もうひとつの私のブログ「福岡カスレ協会」にて)

実はこのケヤキのカウンター、
私の知り合いの方のお宅で使われていた木材を使ったものなのです。

お宅を建て替える際に、思い入れのある、立派なケヤキだからと
丁寧にはぎ取り、保管していたものの一部が使われました。

もともとカウンターとしての厚みはないため



こうしてタイルなどで厚み部分を作り、上手く仕上げてあります。
デザイナーさんのアイデアとセンス、勉強になります!

ちなみに残りのケヤキ材の一部は私がデザインさせて頂き、
新しいご自宅でスツールやキャビネットとして使われています。

 

100年かけて育った木材は100年もつと云われています。
このケヤキも形や場所を変えて大事にされています。
  


2011年03月10日

日本酒と古い器と白木の一枚板~酒陶 築地(福岡市平尾)

今日から始めるカテゴリーです。
「店にカウンターあり、カウンターにこだわりあり」

まだ若造のころ(今でもまだまだ未熟モノですが)
ちょっといい割烹などに行って、緊張した空気が流れると、
「このカウンター、イチョウですか?」
などとご主人に訊ねると、そこから
「そうなんですよー、わかりますか?」
と、打ち解けていただいたりして、結構武器!につかってました。

カウンターはお店の顔、そこにはいろんなエビソードが隠れています。


で、その第一回目は地元、福岡のお店「酒陶 築地」さん。



長屋風の民家を改装した純和風の空間、いつも着物姿でのおもてなし。
店主・築地さんが集められた骨董の器に盛られた酒の肴と
日本酒やワインを楽しめる、落ち着いた、
でも気楽な雰囲気で楽しめる空間。

そのカウンターは木目のおとなしい、やさしい肌触りの白木のカウンター。
杉とはちょっとちがうような・・・なんだろう?

「スプルースですよ。お店をつくるとき、予算の関係でこれに。」

本来ならば、和食のお店やお寿司屋さんで好まれる
イチョウの一枚板!ということでしょうが、
いやいや、これはこれで、見劣りしない美しさ。
逆に、イチョウにはない、木目の良さが味になっている。
本来、木に良し悪しはないのだから、
まさに「適材適所」のグッドチョイス、なるほどです。

スプルースは別名、北洋蝦夷松。
名前の通りシベリアや中国東北部などが産地の針葉樹です。
肌が緻密で加工がしやすいので、
よく障子などの建具に使われています。