› 築45年の家に住む

スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2013年06月30日

リノベーション完了です!

4月からプラン作り、そして5月の終わりから始まった
マンションのリノベーション工事。
昨日完了しました。



LDKは以前より1部屋分広くなり、
キッチンをアイランド(ペニンシュラ)型のオープンキッチンにし、
白をベースに床材のブラックチェリーが映えます。
お施主様のTさんのご希望は無垢のフローリングだったのですが、
マンションは構造上無垢が難しく、また防音の関係もあり、
無垢の板を薄くスライスしたものを表面材にした
突板のフローリングにしました。
突板といっても本物の木なので経年変化で床の色合いも深くなっていきます。





キッチンはTOYO KITCHENです。
カウンター下のキッチン正面はサイドの壁と同じタイルを貼って、オリジナル感を出しています。
白い壁と同化していますが、
よく見ると、ちょっとかわいい花型のモザイクタイル。






そしてTOYO KITCHENの特徴でもある、
キッチン本体に脚がついている
フロート(浮いている)スタイル。
実はマンションのリノベーションでは、難しいんです。


というのは、もともとのキッチンの配管があるため、
新しいキッチンの配管位置に合わせようとすると、
床下のスペースがないマンションでは、床の上で
配管を曲げて移動させるため、それがまともに見えるのです。

でも、ここを上手くしたのは、工事会社(㈲ライフスタイル)さんの知恵。



キッチン本体に横穴を開けて、そこに配管を通したんです。
TOYO KITCHENのキッチンの奥行は他メーカーより10cm広いので
奥にスペースがあるんです。









キッチン後ろは3枚扉の収納。
奥行60cmで中にカウンターを造り付け、
下にワゴンを入れたり、収納の引き出しを置いたり、
可動棚もつけて、生活していきながら
使いやすい収納を自由に作っていくことが出来ます。
大きな「押入れ」の形、システムキッチンの収納よりも
随分とコストカットにもなります。
これはなんとTさんのアイデアなんですよ!
いわゆる「隠す収納」もキッチンには必要。

そしてこのキッチンでは冷蔵庫や電子レンジを置くスペースも
キッチン横、3枚扉収納の横に配置し、
リビングからは見えないようになっています。




そして3枚扉の右には見せる収納、
キッチンと同じ高さのカウンターと
可動棚。
ここにはPCや電話などを置いてキッチン横ながら
書斎的な使い方が出来て便利なコーナー。
棚に使っているのは、IKEAのキッチンの天板と同じ板。
水にも強く熱にも耐えられるので
キッチンのサブカウンターとしても使えます。





キッチンの隣は4.5畳の和室。
お布団が2人分余裕で敷けるように、
押入れが浮いているんです。



工事が始まった頃、また壁紙を張り替える前に
この押入れの構造を打ち合わせながら壁に落書きしてあれこれ考えただけに








その甲斐あって、下に支えを造ることなく、
奥行も通常の押入れと同じ
収納たっぷりの押入れになりました。
上下の空間には間接照明が効果的です。





実はこの4.5畳の畳の間は小上がり風になっていまして、
周囲はこのように土間風の通路があります。
ここはTさんご家族が飼っているペットのカメさんが
足をすべらせることなくお散歩できるスペースでもあります。



そして通路の突き当りにはデスクが造作。
「個室にこもらない勉強」ができる、
セミオープンで家族の気配を感じながら
「ちょっとこもる」ことができる勉強スペース。
ちょっと疲れたら、畳にゴロンと横になってもいいし。


この和室には他にも仕掛けが。



壁の一部に和紙を貼り、床の間代わりに掛け軸や掛け花ができるように



そして床飾りのスペースとしては、浮いた押入れの下に
置物などを飾ってもらえるようになっています。

もともと私とTさん(奥様)とは茶道教室がご縁でお知り合いに。
なのでこうしてお茶を楽しめる和の空間が造れて、私もとても嬉しいです。




洗面所はちょっとカワイく。
キッチンのタイルの色違い、グリーンのモザイクタイルと
ブルーの壁紙をベースに。
右のSK(スロップシンク)は靴を洗ったり、ペットのカメさんの沐浴に便利ということでTさんのご希望のひとつ。
左の洗面台は天板と洗面ボウルが一体型の陶器で美しいIKEAのもの。
周りのアクセサリーもIKEAで揃えました。
コンパクトながら便利な洗面所に。




それから今回、自分たちで塗装にもトライ!
ということで、Tさんと私の素人ペアで壁を塗ろうと意気込んだのですが、



結局見るに見かねて、塗装工事の職人さんが全部塗って下さいました。



塗料はTさんが買ってこられたイギリスの塗料メーカー「Farrow & Ball」の
Yellow Groundというカラー。











お手洗いと個室の壁それぞれ一面ずつ、明るくて優しい雰囲気になりました。




この日は工事が終わってお施主様に引き渡しの日だったのですが、
リノベーション後、はじめて新しくなって我が家を訪れた
Tさんの次男君、さっそくくつろいで、和室にごろん、と熟睡。
でも私にはどんな言葉より賛辞に思えたのでした。
お母さんに起こされているの、ちょっと小さいですが、見えますか?


ちなみに窓のプリーツスクリーン上げ下げに加え、上の部分も開くもの。



以前の窓はこんな風に見えていました。
ベランダの部分が隠せるので、このお宅の借景である浄水場の山の景色を
切り取ることができます。


3日後にはコーディネートした家具も搬入され、照明も取り付けます。
その様子もまた、当ブログでご報告します。
  


2013年05月31日

紙技。

ずいぶんご無沙汰してました。
先月からプランをしているリノベーションの工事も
今週から取り壊しがはじまりました。

わたしは、というと、現在、お施主様と家具をはじめインテリア素材探しをしているところ。

先日は和室に貼る襖紙などを見に
福岡市天神にあるPAPER ROADさんに行きました。



もともと襖紙や壁紙の会社であるGSタカハシさんが世界中の和紙と
紙でできた商品を取り揃えたセレクトショップです。


これも和紙。カワイイ。
Marimekkoのような花の浮彫の和紙です。


これは和紙にカリグラフィーがあしらわれたもの。
これだけでアートになる。


そしてこれも和紙。和紙になる前の、植物の繊維そのもので作られたもの。


それがこの棚ぜーんぶに入っています。
一枚売りですので、まるで絵やポスターを買うように
色々見て、あれこれ欲しくなります。

店長の高橋さんは自ら買い付けにも行かれる方。

「アジアの紙はこのあいだのタイの洪水で紙漉きが出来なくなってねぇ。」

なるほど、紙も世界の事情とつながっているんですね。




これも紙でできたモノたち。
(そして後ろの襖もおもしろいでしょ。)












中でも気に入ったのはこの琉球張子の蛇の置物。
ヘビとは思えないかわいさ。
色合いが鮮やかでこれから夏にかけて飾っても
いいかな、と私と施主のTさんとでお揃いで買いました!





そうそう、ちゃんと和室用の和紙も選びましたよ。
こちらはシンプルに、そしてシックに。
Tさんの優しい雰囲気に合う色合い。



「日本の家は紙と木でできている」
と昔言われていましたが、
木も紙も色んな種類、色合い、
テクスチャー、
現代の暮らしにももっともっと取り入れたら、もっと豊かな空間になると思う。

「それに紙はハサミとのりがあれば
何だって作れるし、軽いから
女性が何か作るのには向いているんですよ。」

技がふんだんに盛り込まれた紙を使って
さらにいろんなモノが作れる。それも簡単に、というのが紙のすごいところ。
高橋さんのお言葉になるほど、と紙をあらためて見直したのでした。
  


Posted by nobo at 23:10Comments(0)その他のこと

2013年04月17日

新たなリノベーションプラン、はじまる。

今、マンションのリノベーション計画に取り組んでいます。

来年の消費税UPにそなえ、今年に入ってマンション購入の動きがさかん、
それにともない、何かと話題になっている中古マンションのリノベーション。
今回も築20年の中古マンションをご購入、リノベーションをしてお住まいになります。
茶道のお稽古でご一緒させていただいている奥様からのご依頼を受けました。



先週末は現場であるマンションでご家族と打ち合わせ。

部屋にはもちろんテーブルや椅子もないわけで、
レジャーシートを敷いて、奥様がポットに美味しいコーヒーとお菓子を
用意して下さってまるでピクニックのよう。

これまでの打ち合わせで間取りをあれこれと変更した図面や
素材、資料などをみながら、実際の場所で間取りをシュミレーション。
その場で新たなアイデアも浮かび、
工事会社の方も交えて、盛り上がります。



というのも、このマンションの部屋は眺めが最高。
向いは浄水場の丘が広がるため、一面の緑。
それに打ち合わせの最初の頃は、ご覧のとおり窓から隣の公園の桜が
独り占めでした。
そしてこの折れ曲がるように面した窓。
贅沢な作りはさすが平成4年、バブルの頃の作りです。

この景色を楽しむ工夫が一番のポイント。
「寝転がってビールを飲みましょう!」
とご主人との意見も一致(笑)

間取りを考えながら、素材も探しに、あちこちのショールームに行きました。



床材は朝日ウッドテックのショールームへ。
マンションなので、対応する床材となると、防音の基準をクリアしたものになるので商品も限定されてきます。



その中でご希望の“なるべくナチュラルな素材”を目指して、
そしていいカンジのものを探します。
突板(本物の木を薄くスライスしたもの)のブラックチェリーが良さそう。
最近、素材感重視の傾向、それも赤身を帯びた木のフローリングが
人気のようです。



昨日はキッチンを見にTOYO KITCHENへ。



奥様が最初にイメージされたキッチン。
ステンレスの美しさとシャープなデザインは他のメーカーとは一線を画しています。



扉の色柄や取っ手一つで印象も変わる。
悩みどころ、でも夢がふくらみます。















これからプランも商品も決定段階にはいります。
家具選びはこれから。
これもまた楽しみ。

TOYO KITCHENには
H. ウェグナーのThe Chair(一番右) が展示されていましたが、
ま、これは伝説のチェアということで見積からは除外しておきましょう(笑)



  


2013年03月13日

伝統をちょっとすすめる。

昨日のブログ「伝統をきっちり守る。」に書いた
料亭嵯峨野でのセミナーの翌日、
福岡県太宰府に行きました。



太宰府にはよく行くのですが、ここは初めてお参りしました、
太宰府天満宮から山手に上った、
ちょっと人里離れたところにある竈門(かまど)神社。
別に縁結びをお願いするのは目的ではなかったのですが。









地元では山登りで有名な宝満山の登山口にもあたり
神社のある小高いところまで石段を上ると本殿はこんなカンジです。
わりとひなびたというか、
太宰府天満宮の賑わいとは
ちがっております。
いちお、お参りして
いろんな意味で良い方々とのご縁に恵まれるようにお願いしました。



で、本来の目的はこれを観に。



なんとこの神社のお札とお守りの授与所です。
片山正通氏がインテリアデザインをし、昨年12月に完成したもの。
縁結びということもあって、女子がグループで訪れて
「かわいい~」と言ってお守りを買っていくのが
似合う雰囲気。
お守りも実際カワイイものがならんでます。
たぶんこの建物の新調とともにデザイン一新したんでしょうね。



このカウンターにはカラフルなペンが入っていて
おそらく御祈願の申込みとか絵馬に書いたりするのに
使うもの。



壁はピンク、白、ベージュの大理石が埋められてます。
これがラブリーな色合いを作っている。おひなさまの菱餅みたい。
(みなさま、厄年ではないですか?)



ショップ(ではなくてお守り授与所)から先程の本殿をのぞみます。
気のせいか、ここから見ると、本殿も
ひなびたかんじがオツに見える。
天井がまたラブリーな花のレリーフ。片山氏らしい。
ちなみに梅の花は太宰府の象徴です。



建物は神社建築のエキスパート種村強氏が設計。
むくりの屋根、白木使いが神聖な風格をだしています。
そこにガラス張りのファサードとその上のひさしは
ポリカーボネートで明かりを取り込む。
モダンなインテリアとの融合。



で、今回の私の注目ポイントは
建物脇の外壁を覆うの木の使い方。











縦にはしる木、ただの棒状ではありません。
写真ではわかりにくいのですが、
断面が台形、なのです。
これをだたの四角にするのと台形にするのでは
木材を製材する手間が大幅にちがうはず。
マニアックな話になりましたが、
おもわず私はうなってしまいました。


感心しすぎて写真にとりそこなったのですが、
この脇の外壁を通り裏側に行くとテラスがあり、
そこに置かれている椅子が
ジャスパー・モリソンのデザインです。
縁結び祈願の女子達が「キャー、この椅子回る~」と
言っていましたよ。






大宰府天満宮の周囲には
菊竹 清訓氏設計の九州国立博物館があったり







参道には
以前のブログ記事「隈 研吾 設計のスタバ(福岡県 太宰府天満宮参道)」にも書いたように
有名建築家の作品がここ大宰府に次々とお目見えして
それだけで足をのばして来る楽しみが増えました。






神社もやはりビジネスです。
本来の神社の役割はもちろんですが
参拝者に魅力ある地域作りをしようという
意気込みがすごく感じられます。

前日の数寄屋建築の料亭と
この日の太宰府。
どちらも伝統を守る立場でありながら
方向性がそれぞれで興味深い。

そして伝統と進化したもの、
どちらも楽しめるのが現代人の私達の良いところ。
これからの伝統ってどうなっていくんでしょうか?  


Posted by nobo at 23:51Comments(0)その他のこと

2013年03月12日

伝統をきっちり守る。

先週、福岡にある老舗料亭「嵯峨野」に行きました。

こちらで優雅にお食事を、いうことではなく
この料亭を設計した建築士の前田伸治先生のセミナーに参加したのでした。




一年半前に建て替えをしたこの料亭、純粋な数寄屋建築で建てられています。
先日福岡県美しいまちづくり建築賞を受賞されました。

玄関を入ると気持ちの良い大空間が広がり







右手には「嵯峨野」の象徴的な竹林。
春の日差しが爽やかです。












歩を進めると左手には
先代の使っていた包丁が。
小さくなるまで研ぎ、柄まで細くなっています。
お店の歴史と心意気を感じる。










会場である大広間は青森から取り寄せた杉の材、
なんと9mの長押(部屋中央の横にはしっている材)が空間を貫いています。
奥には舞台があり、舞台の奥の杉の戸を開くと、
窓の向こうには中洲を通り博多湾にそそぐ那珂川が望めるという仕掛け。
うかがうところ使われている材木は青森の山から切り出し、
その材木の大きさや質の高さは現代では不可能に近いといわれる
逸品が贅沢に使われています。
私も木の事には少し関わっているものの、スゴイ材過ぎて、ためいきばかり。

しかし、建築家の前田伸治氏のお話によると

「数寄屋とは
『異風になく、結構でなく、流石にして、目に立たず』」

とのこと。数寄屋というのは茶室を起源としているらしく、
お茶の精神、つまり千利休の精神が反映されているのだそうです。

奇抜ではなく、豪華ではなく、立派であるけども、それが目立たない。

私もそれを目指したいと思います。
建物に限らず、人間としてもね。


建築だけではなく、意匠も凝っています。
この襖絵もしかり、
襖の引手にまで博多人形師の第一人者である中村信喬氏や
有田焼の今泉今右衛門氏がオリジナルで作り上げるなど、
地元九州の美術工芸の粋を集めてあり、
この数寄屋作りへの建て替えを決心した
若女将さんの心意気がひしひしと伝わります。






実はこのセミナーにはお食事もついていて
やっぱり優雅にランチ、
いやいや、数寄屋建築とともに味わうという体験!です。

お刺身ひとつとっても
つくしなどで季節感が感じられ
影に隠れているのは「おきゅうと」という
博多らしさもちらり。
建物に違わず、お料理もきっちりと
伝統と地元を守ったスタイル。




舞台の反対側には床の間。
旧暦のお雛様とさりげなく、でも咲き具合が絶妙の桜。



その広い床の間の横にはさらりと一間、2段になった飾り棚。
そこに立派な竹でできた蓋物が飾ってありました。
大きなたけのこを思わせる。
これもさりげなく季節なんですね。

セミナーのお話の中で

「床の間とは昔、書院造りの板の間に貴人が座る場所に置かれた置き畳が起源で、
よって床の間に飾るものとは、そもそもその偉い人と同じ位価値のあるものを
飾るためにある」

というお話があり、それも初めて知りました。



で、ここで私の目線はこの棚の木材に。
(写真ではわかりづらいのですが)
下は塗装された檜?
で上段は木地のままの、それも南洋材のような。
この木材の使い分け、どういう意味なんでしょか?

建築家の前田先生にお尋ねしたのですが、
「これは花梨ですかね。たしかここの料亭に昔からあった材だったと
思います。」

とのこと。
昔のお店の名残をつかうのも、またいいですね。
建築にいろいろな思いが入っている。
そしてきっと木地の上段と塗りの下段で
飾る物も使い分けると思いますが、
それは若女将さんにいつか聞いてみたいと思います。
といっても次回はプライベートで来ることに?
いつになるのでしょうか?

写真には撮れなかったのですが、
この料亭には表千家の家元の茶室「残月亭」を
寸法も、そして材もすべて同じもので作られた
茶室もあります。
拝見させていただきましたが、
畳に座ると、そこから那珂川が絶妙な位置に見え、
博多の残月亭は本家の残月亭にもない景色があるという、
心憎い趣向。
建築家と現場の大工さんはじめ皆さんで作り上げた
川の景色だというお話、聞いている方も嬉しくなりました。

本当に女将さんと若女将さんの凛とした心意気が
この建物の格を作りあげたのだな、と
感心した一日でした。



  


Posted by nobo at 17:25Comments(0)その他のこと

2013年02月15日

色のイメージを言葉で表現すると

そういえば、と昨年購入したカラーについての洋書を思い出しました。



壁の色をベースに小物などのアクセントカラーの参考書といったところ。
1ページずつ色の組み合わせが紹介されていて
そのカラーイメージのネーミングが興味深いんです。



“Elegant, understated neutrals”
エレガントと控えめな中間色のカラーコーディネート、そんな意味かな?

ブラウンの色の壁はツヤのある木の家具やドアと相性がよく、
そこに中間色の淡いピンクやベージュ系のサテンのクッションなどで
コーディネートするとカワイイながらも洗練された印象になる、と書かれています。

それでブラウンがエレガント、という訳なんですね。
言われると確かに身に覚えが。

以前コーディネートをしていてモザイクタイルを選ぶ際に、
お客様が
「この色、“ざーます”って感じ。」とちょうどこのブラウンの色のタイルを
言われて、思わず笑ったことがありましたが、
ざーます=エレガント、確かに当たっています!




で、これはロマンチックなバレエ、なんだそう。一見そうかな?と思いますが
解説によると、なんでも印象派の画家のマネが描くバレエダンサーの絵には
光のきらめく表現にこのような淡いグリーンやピンクが使われていたそう。
この理屈になるほど、と感心。

イメージを言葉にして人に伝えるのってなかなか難しい。
インテリアを作っていく上でいつも考えさせられる点です。
色は特に感覚的なので、
この本はそれをよく理論づけていると思う。



アフリカン・アドビ。アフリカの粘土の色。
先日アフリカに行ったのでピックアップしてみましたが。
モダンな空間に取り入れるといいらしい。



そういえば泊まったロッジも、こんな色合い。
差し色のオレンジやレンガ色はないですが。
(詳しくは以前のブログ記事「サファリのロッジは「ホワイトウォッシュ」」をご覧ください。)












日付は変わってしまいましたが、昨日のバレンタインデーにちなんで
ビターチョコレートにスイートなバイオレットやミントカラーの組み合わせ。
味覚もカラーで表現。




そして最後はチェリーブロッサム。
まさに春色。
待ち遠しい季節。
(意外と差し色が抹茶色というのがおもしろい)


というわけで見飽きないこの本。
思い切ってこういうカラーにこだわった部屋を作るのもきっと楽しい。  


Posted by nobo at 01:07Comments(0)その他のこと

2013年01月28日

ペットのいるおうちの網戸を強くする?

こんな冬に網戸のお話、とは思いましたが
先日我が家の網戸を実験的に張り替えてみました、
「ステンレス網戸」に。

犬や猫など飼っていらっしゃるお宅、網戸すぐに破れませんか?



こうやってアイアンクローでガリガリしたり













こうやって全体重でのしかかったり










我が家の愚犬はインターホンのピンポンが鳴ると、
大興奮して外に出たがり、それで夏に網戸は大ダメージ。
網戸の網目が広がり、しまいには網戸からネットがとれてしまう始末。




そこでサッシ屋さんに相談して、このステンレス素材のネットに
張り替えてみました。
触ったカンジもやはり、丈夫そうです。









さらに強化!
網戸を枠にはめ込む部分、
通常はゴムの枠で抑えるだけなのですが、
そこにさらにコーキングを施すことに。
(枠に沿った茶色の部分)
プロに張り替えをお願いするからには
効果大になるよう、厳重にしていただかなくては。






これで絶対に網戸が破れたり外れたりすることはない、
とは言えませんが、随分対策にはなると思います。

ただし張り替えをプロに頼めば費用もかかりますので、
市販の網戸張り替えのキットで通常のネットをご自分で破れたら張り替える、を
くりかえすのも、ひとつ(手間はかかりますが)だとは思います。




網戸の色も目立たず、外も違和感なく見えますよ。





夏になって、その効果を検証するのが楽しみ!


  


Posted by nobo at 16:16Comments(0)古いウチのこと

2013年01月17日

サファリのロッジは「ホワイトウォッシュ」

今年初めてのブログです。
遅ればせながら、今年も「築45年の家に住む」をよろしくお願い申し上げます。

私のもう一つのブログ「福岡カスレ協会」の方にも書いたのですが、年末年始の連休に思い切って南アフリカを旅してきました。
10日間、ツアーでもなく飛行機や宿泊などすべて個人手配、
予想もつかない土地でちょっとドキドキでしたが、
レンタカーも使いこなし、飛行機のオーバーブッキングも何とかクリアし?
無事に、いや十分楽しんできました。

アフリカならばやはり、ということでサファリにも行き、
今回は滞在したロッジについてレポートします。


国際空港のあるヨハネスブルグから
プロペラ機で北東に約1時間の
Hoedspruitというところがサファリの目的地。
クルーガー国立公園のそばになります。

ここまで来るのに日本から乗り継ぎなどを含めて
ほぼ24時間。
いきなり真夏の日差しです。




空港からはロッジからのお迎え。
サファリカーで空港からすぐに
宿泊先の“Kapama Private Game Reserve"へ。
広大な敷地、その中に宿泊施設、それに動物達もいます。









長旅でやっと落ち着いた先は
洗練されたロッジ。
それまではテント形式だったらしいのですが、
昨年洪水によりテントが崩壊し、
新しく建てられたという離れ形式の建物は
白で統一された空間。


いわゆる「サファリルック」もそうですが、
サファリに行くときはファッションも
動物を刺激しないように白や
ナチュラルカラーの服を着るのですが
それがシンプルでみんな洗練されて見えるのです。
それをインテリアにも
反映させているのですね。

ちなみにこのロッジのホームページには
“The contemporary yet African feel”と表されてます。




85㎡のワンルームにベッド、バスが置かれ
シャワーは室内と屋外にも。

バルコニーからはサファリの風景が。




前に川があって、動物達も
水を飲みにやってきます。
ウォ-ターバック(たぶん)
気が付くと、私達の部屋のバルコニーに。
獰猛なのであまり近づかないように。




見上げると、天井はこんなカンジです。
丸太をそのまま見せて、
ペイントしたあとワイプアウトしてナチュラルな雰囲気に。
これが「ホワイトウォッシュ」テイストなんですね。
ナチュラル素材のシーリングライトもいい。



私の注目ポイントはこの壁。
白い壁土にわらのようなものを混ぜ込んで
これもナチュラルテイストを加えています。
日本の和室なんかにも藁すさの土壁、ありますよね。




こちらはライブラリー。



自由に使える空間には
ル・コルビュジエのシェーズロングや
ミース・ファンデルローエのバルセロナチェアなど
有名な椅子もさりげなく置かれています。








そしてPCが置かれた無垢のテーブルには











なんと「ちぎり」が!!

このブログで時々お伝えしている
「家具のこと」。
無垢のテーブル製作で使う技法。
木と木の継ぎ目に施すパーツなのですが、
まったく同じ形!
アフリカでもするんですね。
ひとりで感動の涙です!




食事スペースも毎日ディナーは場所を変えたりして、
この日はプールサイドにテーブルをセッティング。
離れ形式なのでカップルが中心のため、
ムードもありありです。




ディナーから部屋に帰ると天井から下がるカーテンで窓が覆われ、
夜のカンジもいいでしょ。


ふとミニバーのコーナーに目をやると、
この日はレモンが一個置いてありました。
連れの主人が風邪気味でサファリに参加せず夕方部屋で休んでいたのですが、
さりげない気遣い。
こういうのが部屋数の少ないロッジ形式の
アットホームなサービス。
気持ちもほぐれます。
また、レモンまるごと一個というのが
アフリカっぽくていい?






おかげで翌日から
元気にサファリにも参加できました。










サファリでは猛獣や大きな動物もたくさん見ましたが、



感激はこれ、フンコロガシ!
古代エジプトでは「スカラベ」として装飾品のモチーフにも使われていますね。
太陽神ケペリを表し生成・創造・再生のシンボルとして崇められていました。
でも何よりカワイイ!(動画でお伝えしたかった)

私達も見習って、プッシュプッシュ!
ころころと忙しく働き、その積み重ねで
やがてそれが大きな玉のように育っていきますように!






そして皆様にとっても
2013年が素敵な一年になりますように!  


Posted by nobo at 12:08Comments(0)その他のこと

2012年12月28日

今年最後の無垢テーブル完成。

いよいよ今年もおしせまりましたが、
ようやくテーブル完成、でなんとか年内に納品させていただきました。



センダンの無垢テーブル
長さ2m、幅110cm
運ぶのも男性3人がかりです。



センダンのやや色味がうすく感じられますが
今の色合いは床材のチェリーとも合うカンジ。
また使ううちに、色が深くなり、
メンテナンスでオイルがけをしていくと
さらに飴色になっていきます。
いわゆるいい意味での“エイジング”。




今回はベンチも作りました。
ただしテーブルの脚は黒、
ベンチは脚は座面と同じクリアのオイル。
将来的にベンチを別に使うことも考えてのことです。
実際設置すると、ベンチの脚はあまり見えないので違和感もありません。









これからテーブルと長いお付き合い
ヨロシクオネガイシマス!



それからブログをお読みいただいた皆様にも!
良いお年を!
そして来年も「築45年の家に住む」を
よろしくお願い申し上げます。  


Posted by nobo at 03:15Comments(0)家具のこと

2012年12月22日

ウッドデッキの修理、我が家の場合

実は前回のブログ「無垢テーブル切断!」と同時にやっていたのですが、
我が家のウッドデッキの修理、をしました。

春~秋のBBQやソトメシ(我が家では「デッキでごはん」の意味なのですが)のシーズンが終わり
花が散り、落ち葉も落ちてしまった今、このデッキのメンテナンスをするのです。



だいだい1~2年に一度、デッキ材の保護のために塗装をしてはいるのですが、
さすがに雨ざらし、日ざらしで11年もたつと



木がボロボロになったり、反ってきたりして
放っておくと危ない状態に。

というわけで、部分的に悪いところの材を入れ替えます。



実家の材木屋から仕入れた材は米杉と檜。
米杉はデッキ部分に。
檜はデッキを支えている「大引」の補強に使います。


大工さんに取り付けてもらう前に材の全面に保護・防腐のための塗装をしておきます。
無垢の場合、片面だけ塗ると反ったりする原因になるので。
使っていると塗装は「キシラデコール」。
ホームセンターにも売っているもの。
ちなみにこのようなデッキに塗るときは、ご覧のようなコテ刷毛でアタッチメントをつけて
ご覧のようにモップのように塗るのが楽でオススメ。





あとは大工さんにおまかせ、で見守るばかり。
悪くなった材をはがし、新しい材に入れ替えていきます。



デッキをはがすと、下の大引もかなりボロボロになっていますね。
この大引は簡単に取り外せないので、横に檜材を添えて補強します。



写真だとあっという間に出来上がり。
茶色の部分が新しくした材のところ。

大工さん、お疲れ様でした。
このデッキは作る時から、私のわがままで
表面にビスを見せたくない、と
裏から材を止めつけているので
大工さんはデッキウラに潜って寝転んで、の大変な作業なのです。
いつもスミマセン。



で、ここからまた私のひとり労働が。
デッキの古い材にこびりついた苔をデッキブラシで洗います。
気分は船乗り、か?









ふと手を止めて見上げると、
造園屋さんも冬の庭木のお手入れ中でした。
おたがい寒い中、お疲れ様です!
と勝手に一体感。






洗って一日デッキを乾燥させ、
そしてさらに全体に塗装を2回。



仕上げは黒に塗りました。和風の庭に合うように。
保護が目的なので、表面だけではなく、
側面も、細かい部分もなるべく残さず塗ります。
で、ようやくメンテナンス終了。



いやー、お疲れ様です、
と一人自己満足でながめていると



「ペンキ塗りたて」を理解できない我が家の愚犬(しょうがないけど)
デッキを思い切り横切って侵入!!
Oh,No!!!!!

この後は室内の床掃除につづく、のでした。  


Posted by nobo at 23:43Comments(0)古いウチのこと

2012年12月18日

無垢テーブル切断!!

いよいよ今年も押し迫りましたね。

昨日は絶好の大掃除日和、のような暖かい一日でした。

我が家はというと、大掃除ならぬちょっとした家具のリノベーション



かれこれ10年ほど使っているダイニングテーブル。
無垢のタモ材の天板です。
長さ2m、幅は110cm。
毎日使うのはもちろん、自分でサンダー(表面を研磨するマシン)をかけては
オイルをかけたりして手入れしてきました。
もちろん愛着もあるのですが、



ジャーン!
大工さんに一発、丸ノコで切断してもらい、
あっという間に



パソコンデスクになってしまいました。
長さ2mはそのままに、
長いようでもデスクトップを置くと残るスペースは半分くらいになり
ちょうどいいスッキリ感に。
幅は35cmカットして奥行75cmのデスクというのも余裕サイズ。
6帖の部屋でかなり存在感出しています。
構造とか切断した切り口とか気にせず
どこでも好きにカットできるのは、
無垢の板のいいところ。
脚も独立しており、板を上に載せていただけなので、
そのまま同じように脚もデスクの脚として役立ってます。

でも、なによりパソコン使いながら手にあたる
デスクの感触が変わったのがウレシイ。



実はそれまで使っていたデスクは
無垢ではなく、表面に木目のシートが貼られたもの
そのシートがはがれてきてボロボロになってきたので
どうにかしたかったのです。



そしてダイニングには



北欧のアンティーク家具。
以前に買って物置に置いていたモノ。
これを使いたかったというのも理由のひとつ。

写真は丸の状態ですが、エクステンションテーブルなので長くなります。

これまでとは打って変わって、深い色合いのローズウッド。
まだ見慣れないせいか、違和感もちょっとあるのですが、
これまでの統一した雰囲気を敢えてちょっと壊して
新たな展開にしてみたかったんです。
これからこのテーブルに合う椅子を探したりと
周囲のインテリアも馴染ませていくのが楽しみです。



前々からしようと思っていたので
一気に出来てホッと一息。
家の中の1シーンを新たにして
新年を迎える準備、ひとつ出来ました。  


Posted by nobo at 00:34Comments(0)家具のこと

2012年12月06日

モダン&ハワイなホテル~The Modern Waikiki

先日ハワイ(オアフ島)に行ってきました。

今回泊まったホテル、The Modern Waikikiのインテリアを
ちょっとご紹介します。



入口を入ると、このレセプションカウンターが。
スタッフはレセプションからドアボーイまで全員
シンプルな白のシャツ&パンツ姿にグレーのカーディガン、
アロハではないです。

スタイリッシュな雰囲気の中、音楽がガンガンかかってます。
ハワイアンではないですよ、クラブ系ミュージックです!



大きなオブジェのような白いレセプションカウンターは
よく見ると、表面に木目が。
モダンななかにも素材はナチュラルテイスト。

そして、カウンターの後ろには
本物のサーフボードを使ったオブジェが。
Herbie Fletcher という作家のインスタレーション。
ボードにはプロサーファーのサインも入っています。
クールでハワイアン!

インテリアデザインを担当したのはGeorge Yabu と Glenn Pushelberg。
他のホテルにはない洗練さとサーフカルチャーのリラックスした空間がコンセプトらしい。



実際に1Fにはクラブもあり、レストランはこれまたスタイリッシュなレストラン、
「Morimoto Waikiki」。
昔「料理の鉄人」で和の鉄人として
アメリカで活躍していた、森本正治氏の
レストランがあり、
夜にはドレスアップした若者が集まるという
地元でもホットなスポットでもあります。







部屋もホワイトで統一された、シンプルなもの。




デスクもスクエアーでシンプルなデザイン、木製で白にペイントされている。
窓際の長椅子も白。



ベッドサイドのライトがちょっとこだわったブラケットライトだったり
デスクの横にはちょっとした棚があって
ウクレレやハワイアンな布がわざと置いてある。
これも他のホテルにはないでしょうね。
まるで誰かの部屋にきたみたい。



ベランダに出てみると、アラモアナのヨットハーバーが眼下に見えます。
ここはアラモアナ・ショッピングセンターは徒歩圏内。

そのうち、隣の部屋からウクレレの音色が。
ホテルの備品を弾いているんでしょうか(笑)?






で、私が注目ポイントはここ。
窓際はカーテンではなく、重厚な木のスライディングドア。


バスルームにもこのルーバーのドア、
ハワイのコアウッド(だぶん)でできた無垢の建具です。
白い部分でライト感をだしても、素材はホンモノを使うことで
安っぽくならないし、この木だけでハワイアンな雰囲気が出る。
簡単なインテリアテクニックだけど、重要だと思います。

そのあたり、日本だと、どうなるんでしょうね?



余談ですが、ここのハウスキーピングが面白かった。
3泊したのですが、2日目の夜、部屋に帰るとTVがついているんです。
「えっ?テレビとかつけてなかったよね?」
テレビ、わざとホテルの宣伝チャンネルがつけてあって、
これまたスタイリッシュな音楽で出迎えてくれるというもの。
で、デスクにはアイスペールに氷が入っていました。
洒落っ気のあるサービス。これでまたリラックスしてしまう。







プールも2種類あって、ビーチチェアがプールにせり出していたり、
もう一つはベッドが並んでいて(ベッド予約でいっぱいでした)
その下に砂100トンを入れて人工のビーチを作っていたり、
ヨットハーバーがあるため、ホテルから直接ビーチに面することが出来ないため
の工夫です。



コンシェルジュなどのサービスも良かったし、
ワイキキの中心部からちょっと距離を置いて、
スマートカジュアルなハワイの雰囲気を楽しめたホテルでした。
  


Posted by nobo at 16:44Comments(0)その他のこと

2012年11月12日

いい木材といい技と

ふたたび福岡県大川市に家具の材料の木取り(木選び)に行きました。

今回は無垢の板のダイニングテーブルとおそろいのベンチを作ります。

このブログの以前の記事「友人宅で無垢テーブルに再会」
登場したテーブルを見た友人のご親戚のご依頼です。
友人が気に入って使ってくれているだけでも嬉しいのに、
それを見て、さらにご依頼いただけるなんて
本当にありがたい。



材は友人のテーブルと同じセンダンに。
とはいっても、木というものは一本一本、木目も色合いも違います。
今回は先日「ベッドまわりの家具完成」の際に使ったセンダンが
木目が細かく綺麗だったため、同じ木をリクエストしていました。



乾燥し、まだ製材前の粗い表面なので、色や木目は
水をちょっとかけて濡らした状態で確認します。
センダンらしいオレンジがかった暖かい色身、
木目も素直で洋風にも和風にも合わせやすい材です。



今回は二枚の板をはぎ合わせて作るため
その合わせ目に入れる「ちぎり」のサイズもご相談。
3種類サイズの違うものを紙で作って
実際の板に当てて、お客様と検討です。


ちぎりは装飾的アクセントでもあるので
通常はテーブルの材よりも固くて色のコントラストのある濃い色の物を選びます。
見せてもらったのはアフリカの「パープルハート」という材ですが
名前の通りやや紫色が強いので
おそらくより無難なこげ茶色のウォールナットを使うことになると思います。





さて、いつも訪れるこの木材市場ですが、
もちろん市場ですので、その時々で
いろんな木に出会えるのが、私のひそかな楽しみ。



幅110cm、長さ2m、厚さ10cmの杉の一枚板。
こんな大きなサイズ、なかなかお目にかかれません。
木目美しくて色味も深い。
綺麗に仕上げたら、さらに立派になるでしょうね。
こういういい材を見ると、ワクワクします!?


福岡県の天然記念物だったらしい?
杉の木が、風倒木になりそうだということで切られたとか。
いったい樹齢何年なんでしょうか?

このまま蕎麦屋さんのテーブルになったらぴったり、という感じの風格。

ちなみにこの板は売約済みだったのですが同じ丸太からとれた板は他にもあるということ、ご興味のある方はご案内しますよ。




それから、製作をして下さるところへごあいさつ。
実は欄間の製作工房なのです。
欄間というのは、お座敷のふすまや障子の上の空間に
彫刻などしてある、あれをいうのですが、
そういうものを作られるため、当然、仕事が綺麗で丁寧なのです。


伺ったところ、このようなものを沢山作られていました。



これは欄間や建具などに使うパーツなんだそうです。
和菓子か切り絵みたい。
これを木で一つ一つ作り、モチーフとして
組み合わせて使うそう。



「これは展示会とかで置いてると、女性が何に使うのか、買っていかれるんですよね。」
まるでCLATHASのロゴみたい、
でもこれは「ねじり梅」という、れっきとした伝統の形らしいです。



ちょうどこの日はティッシュボックスを注文で作っていらっしゃいました。

欄間そのものが現代の家から消えつつある今、
いろんな物を作られるらしい(私もお願いしている一人)ですが。






昨日聞きに行った落語会の中で、
新築の家を訪れる、という噺があり、その立派さを表すのに
「家は総体檜(ひのき)づくりでございます。」
というくだりがあり、はっとさせられました。

昔はいい木材を使ったり、芸術的な細工ものを家に取り入れたり
するのがステイタスだったんでしょうね。

現代の私たちも、こういう価値についても知っておく必要があると思うし
伝統的な技術を残すためにも、今の生活にも何らかの形で技や質の良さを
取り入れる事って大切な事なんだと
実際に目にしてあらためて思った一日でした。
  


Posted by nobo at 00:37Comments(0)家具のこと

2012年10月23日

「博多べい」って知ってる?

ちなみに博多湾(Hakata Bay)じゃないですよ(笑)。

このところ2週に1回は通っているお蕎麦屋さん

お一人様で鳥南そばを食べていたら



ガラス越しの小さな庭、なんかカワイイ塀。
なんとなく、手前の“カレーうどん”の
文字とあうような、ちょっとユーモラスな模様。

この塀、なんだっけ?

これが博多塀なのだそう。
塀の土壁に瓦や石を模様のように入れ込んで作った土塀を
いうらしいのですが、

もともとは、戦国時代に合戦で焼け残った石や瓦を入れ込んだという
ものだったらいしいです。



というわけで、お蕎麦屋さんから歩いてすぐの
博多の総鎮守、櫛田神社には
当時の商人の屋敷跡から移築した「博多べい」が
ありまして、ちょっとぶらり、見に行ってみました。

合戦で荒れていて、ものがない時代のいわゆる「リサイクル」塀かも
しれないけど、
壁の厚み部分まで、けっこう凝ったデザインで配置されている。

いろんなものを取り込んで、何かを作るところ、
昔からアジアの文化を取り入れてきた博多らしいと
いうんでしょうか。

なんだか時代も壁の中にラミネートしているみたいで
ちょっといいな、と思いました。  


Posted by nobo at 16:28Comments(0)その他のこと

2012年10月17日

レトロビルについて考える

最近とあるレトロビルに通っているのですが



福岡市上川端町にある「冷泉荘」。
築50年を超えるビルです。
もともと住宅用に建てられたようですが、


今では沢山のテナントが入っており



ここはベーグル屋さん


ここはYOGAスタジオ。
私が通っているというのはここなのですが、
古いままのコンクリートの壁にペイントをして
フローリングを施したワンルームは
以前はおそらく6帖2間、風呂なしの住居。
どことなくレトロな雰囲気と
大きなビルにはありえない
“風の通る”空間で行うヨガも心地よい。


その下の階にはスケルトンのままの空間を活かした
ギャラリースペース。

実は数年前にレトロビルの再生を学ぶべく
このビルの見学会にも参加したことがあるのですが、
当時からアートイベントの会場になっていたりと文化の香りもする活気あふれるコミュニティも出来上がっていて
このビル自体がブランドのようにもなっています。






昨年私も福岡市内のとあるレトロアパートの一室をリノベーション工事したのですが




古いビルの住居スペースをリノベーションする場合
レトロビルオーナーの側から見ると

設備関係(お風呂やトイレ)をリニューアルするのにコストがかかる
                   ↓
かかったコストを回収するために家賃をUP
                   ↓
マンションやアパートの供給が需要を上回る現状で、外見の古いレトロビルは
入居者がなかなか決まらない
                   ↓
お金をかけたのにもかかわらず、家賃を下げなければならない

というわけで、長年ビルを所有しているオーナーには
レトロビルをどうしていくかは、問題なのです。
(ちなみに私がリノベーションした部屋はリノベ工事終了から3週間で入居決定、一年あまり経ちますが、今でも住み続けていただいてます。ホッ。)


そんな中、この冷泉荘は住居用を思い切って自由な用途に開放し、
リノベーションコストもかけないことで
「安いテナント料」で借り手にもメリットがあるし、
博多の街中「川端商店街」に隣接し、
エリアとしても商業目的に向いているという点からも
成功している、福岡でも数少ない例。

「古いものを使うこと」が「エコ」だとか
「再生」だとか、
それよりも、ビルに出入りして感じるのは

どこかあたたかいということ。
オートロックのない、オープンな階段を
人とすれ違いながら行ったり来たりすることが
「いいね」と思える余裕をもった大人が
大事にしながら、そしておもしろがって
レトロビルを使っていけば
新しいビルにはない魅力ある再生ができるのではないかと
思います。  


Posted by nobo at 16:46Comments(0)その他のこと

2012年09月28日

名作照明、来たる~ARCO(Castiglioni)

一昨日、我が家に突然送られてきた、3個口の荷物。



知人から何年も前に「ウチには置けないからゆずる」と聞いていたものの、
ずっと音沙汰なし、それが3日前に一本の電話、
「送ったから、明日届きます。」

届いたのはイタリアを代表する建築家、カスティリオーニ兄弟が
1962年に発表したARCO(アルコ)。
有名なので何処かで見かけたこと、あると思います。
前から欲しい、と言っていた夫。
願っていれば叶うものか。



とりあえず、組み立てなくては。
でもこのベース部分、大理石で軽く50kgはあります。
さすがの運送会社の方も一人では大変そうでした。

このベースにステンレスのアルコ=アーチ部分を取り付けます。
穴の開いた部分はただのデザインではなく、
この部分からビス一本を通して固定。
ビスは見事に隠れるように出来ています。



面白いのはシェード部分。
この2枚で構成されていて



こうして重ねます。まるで調理器具のボウルとザルみたい。



これをアーチの先に取り付け、こうして電球を取り付ける。



で、このボウルとザル(勝手に決めてますが)をスライドさせて
光の角度を変えるというもの。

実に単純でクレバーな作り。こういうの、大好きです。
しつこいようですが、きっとキッチンで生まれた発想。


さて、それにしても大きな照明器具。
リビングだけではなく、ダイニング用にも真上から照らせるくらい
大きなアーチです。(高さ2.3m、奥行き2.2m)



とりあえず、応接間にこのように設置してみました。
古い家にはスポットライトがないので
こういうライティングもいいかも。



築45年の家に今年誕生50年の照明。
でもはるかにモダンなライトです。  


Posted by nobo at 00:22Comments(1)名作デザイン

2012年09月18日

ベッドまわりの家具完成。

無垢板で作ったヘッドボードとナイトテーブル、ようやく出来上がりました。



シモンズ社のベッドを新たに買われたお客様、
お選びになったベッド本体のタイプにお好みのヘッドボードが
なかったとのこと、
「ヘッドボードとナイトテーブルを無垢の板で作って欲しい」
とのオーダーを頂いたのでした。

以前私が作ったサイドテーブルをご覧になり、
このデザインでナイトテーブルを、ということでしたので
材質は同じセンダンで作ることに。


以前のブログ記事「ミニチュアで家具打ち合わせ」で打ち合わせていたモノです。
ちゃんと実物大で完成です。



家具をご覧になったご主人様が

「いいね。なんだか和洋折衷みたいで。」

とおっしゃってましたが、敢えて無垢だからと選んだ木目のしっかりした板に
フランク・ロイド・ライトの「タリアセン」の照明がよく合っているでしょう?
ちなみに天板に2つある、蝶ネクタイのような形のモノは
「ちぎり」という、板を板との剥ぎ合わせた部分に埋めて
板どうしをひきつける役割の木のパーツ。
見た目にもクラフト感が出てアクセントにもなります。
今回はウォールナット材を使用。



ミニチュア模型で打ち合わせたとおり、引き出しも正面から見た大きさは変わらないまま、
中の引き出しだけ深くなっていて、モノが入れやすくなっているし、
リモコンなどは引き出しの上の空間に置いておけば
テーブル上が雑多にならずにすみます。
引き出し下の空間は本や雑誌を置くスペース。





もうひとつ、オーダーならではのポイントは
ナイトテーブルの高さをベッドの高さにそろえている点。
寝て見ると、視線がさえぎられず、広がりを作ってくれます。


ヘッドボードも無垢の良さを生かして
シンプルなボードにしました。
約30cm幅の板を3枚はぎ合わせて
裏から反り止めの金属を埋め込んでいます。
仕上げはオイル仕上げ。
着色はしていません。
長年寝かせた木なので木のオイル分などが染み出し、深い色合いが出ています。








2台のベッドをくっつければ
ヘッドボードの木目もつながって一枚の長い板のように。
これもあらかじめ、どちらのベッドが左右どちらに置くかを
確認して一枚の板から切り出す「木取り」をするという、ちょっとしたこだわり。



オーダーをいただいてから、梅雨から夏にかけての長雨などで
板の乾燥がなかなか出来なかったりして、
完成に時間がかかりましたが、
なんとかおさめることが出来、一安心。

まだ仕上げの自然素材のオイルの香りがする家具に
普段からアロマのお好きな奥様が
「今晩から気持ちよく眠れそう」
と言っていただいたのが、何より嬉しかったです。

リビングやダイニングにこだわりがちのインテリアですが、
ベッドまわりを落ち着く空間にすると
心と身体が健やかに過ごせる効果が高いかもしれませんね。







  


Posted by nobo at 22:51Comments(1)家具のこと

2012年09月13日

友人宅で無垢テーブルに再会

久々に福岡県大牟田市に住む友人宅に遊びに行きました。


大川で製作を依頼していた家具が完成し、車に積み込んで
その足で有明海沿岸道路を一直線。
久しぶりの秋晴れで気持ち良かった。
この橋はこの沿岸道路のシンボル、矢部川大橋(やべがわおおはし)。
「主塔間の距離(橋脚間の長さ)261mは、コンクリート製斜張橋としては日本一の長さである。」ということです。
通るたびにその大きさと美しさに目を奪われます。


さて、4年前に新築した友人宅。
その際にダイニング用に
センダンの無垢のテーブルを作らせていただきました。




気のせいか、4年前に比べて色が落ち着いたような。
(右画像をクリックすると、私のHP内のテーブル紹介のページに移動します)

「たぶん子供たちが勉強とかして鉛筆で黒くなっているのよ。」
と友人。

使って味が出ているのはなんとも嬉しいもの。
どんどん黒くして勉強して、ここでご飯も食べて大きくなって下さい!
キズや汚れがひどくなったら、
将来、表面を研磨してまたオイルをかければよみがえります。
それが無垢の板のいいところ。


この家を訪問したかった理由は他にもあり、
というのは、



このダイニング用ペンダント照明。
春先に友人に買い替えの相談を受けて、
あれこれアドバイスしたもの。

イタリアArtemide社の NUR GLOSS SOSPENSIONE という照明。
受注品につき、取り寄せに3か月かかってようやく取り付けたもの。
直径55.5cm、高さ43.5cmという迫力ある大きさ。
勧めたものの、実物を見たのは私も初めて。
でも落ち着いたインテリアに、インパクトを与えていてカワイイ。
テーブル自体も長さ2m以上あるので、なるべく広く照らせて
ペンダントで、デザインが、素材が・・・と友人と考えた結果は
どうやら上手くいったようです。

中は電球形蛍光ランプ100Wが3個入っています。
白熱電球より消費電力も少なく、熱も持たないし、それに



わかりますか?
下部には樹脂のカバーがあるので
光もまぶしくないんです。
「こんなに大きいのに意外と軽いのよ」
シェードはアルミ製なので重さ4.2kg。
デザインだけではなく
けっこう機能も考えられています。







というわけで、
家に馴染んだテーブルと新しい照明のもとで
友人の美味しい手料理ランチを頂きました。
幸せな午後のひととき。
おごちそうさま&アリガトウ!









おじゃましたもう一つの理由、
4年経って、満を持して作った
玄関前の茶花と杉苔の庭をみたかったんです。

もともとインテリア関係の仕事をしていた友人だけに、
家も入念にプランされていて、それでいて和の雰囲気も取り入れて
とても居心地のいい家。
庭もできて、さらに完成度の高いおうちに。

一から自分の思いを形にした家を作るの、いいね、としみじみ。

いやいや、我が家は我が家で古い家を大事に楽しんでいきますよ!







  


Posted by nobo at 16:29Comments(1)家具のこと

2012年08月28日

ミニチュアで家具打ち合わせ

現在ベッドまわりの家具を製作中です。

今回の材料は無垢の木なので、梅雨時期からの湿気で木材がなかなか
自然乾燥しきれず、ようやく製作にとりかかれるようになりました。

大川の製作工場を伺うと、なんと1/5模型が作られていて感激!
今までにもいろいろな家具屋さんに何度も家具製作を依頼したことはあるのですが、このようにしていただいたのは初めてです!



模型ではもったいないような、綺麗な柾目の板。ウレシクナリマス。
こちらでは作りを確認するためにこうして縮小サイズで試作するのだそうです。

今回作るのはベッドサイドに置く、ナイトテーブル。


基本の形は以前に私がデザインしていた、
シンプルなサイドテーブル(右写真をクリックすると、
HPの家具の説明ページに移動します)なのですが、
その中に引き出しを浮いたように作ります。





確認するのはその引き出しの部分。
なるべくスリムに見えながらも、ちゃんと引き出しの深さは確保したいところ、
板の厚みを薄くできないか、もっと部材を省略できないか、
強度との兼ね合いや使い勝手なども検討していきます。

図面にも説明をつけて私の考えているポイントを伝えているつもりでも、
やはりこうして作り手と直接話すことは不可欠。

それに職人さんの経験や技によって、
私の考えているよりも、もっとよい作り方が出来ることもあるのです。
この時間を大切にすることは、結果として間違いないものを作ることに。

模型のおかげで、きっちりと打ち合わせが出来ました。
きっと丁寧な作りのいいモノが出来上がります。



  


Posted by nobo at 19:35Comments(3)家具のこと

2012年08月12日

庭はなくとも木は育つ。

そう、それは盆栽!



知り合いのお店の開店祝いに何がいいか考えていたら、
ふと思い立ちました、ミニ盆栽のプレゼント!

でも、どこに売っているのかあてもなく、ネットで検索したら
唯一、福岡市で見つかった「てのひら盆栽教室 櫻苑」(福岡市田島)さんに
伺うことができました。



小さくても、さまになってますね。
盆栽というと、よく小学校の講堂で校長先生の横にあった
松の盆栽のイメージがありますが
ミニ盆栽は様々な木の種類、形があり、
現代のインテリアにもすんなり取り入れられるカンジ。

なぜ「ミニ盆栽」を思いついたかというと、自分でもわからないのですが、先日から「森林について考えよう。」 「自宅の庭に森を作る、ということ」と木を育てる大切さについてこのブログで触れてきたせいかもしれません。

どの盆栽をプレゼントするか迷っていると、教室主催の横大路さんが
「こんなアクセサリーもあるんですよ。」



わかりますか?根本の苔と白砂のところに小さなヒトと一輪車が!

「マンボン(人Man+盆Bonsai)」っていうんですよ。」



こちらも作業中ですね。お疲れ様です。

これで心をわしづかみされてしまいました!カワイイ!
小さな木とその木陰で仕事をする人、一気にsmall world感がでます。

というわけで、このマンボン君も是非加えていただいて



選んだのは「唐かえで」という種類の木。
楓なので、秋には紅葉、落葉するらしいです。
それも楽しい。

ちなみに、盆栽というのは、これ以上木を大きくしないとのこと。
土を替えながら剪定をしていくことで、木の幹が太くなり
葉っぱはより小さくなるらしい。
自然に育つ木とはちがいますね。
森の木のように環境に役立ったり災害を防ぐことは出来なくても
人のそばにいて木を身近に感じさせてくれるのも
なかなか立派な役割です!



(わかりにくいですが)私もマンボン君の横に開店祝いの立札を
ミニサイズでつくっちゃいました!
  


Posted by nobo at 06:53Comments(0)その他のこと