築40年繁華街アパートを飲食店のような住居にする。

nobo

2014年11月04日 17:43

9月にリノベーションさせていただいた物件をご紹介します。



場所は博多の繁華街のど真ん中、築40年くらいは経つかな、という、
古いアパートの一室。広さは約50㎡。
出来た当時は和室6帖2部屋+DKの形だったもの。

今回のクライアントは同じエリアに飲食店を経営する方。
「お店の近くで寝泊りするスペースとして、プラス
親しい方にここで食事やお酒を出して気軽に楽しむ場所にしたい。」

というのがご希望でした。



先日お伺いしたところ、家具なども整い、お客様もいらっしゃっていて
すっかりお店のような雰囲気になっていました。
間仕切りの襖を取り払い、2間をダイニングとベッドルームが続きの間になっています。



もとは、ご覧の通りホント昔のアパート。
収納はすべて押入れ、建具は襖です。


キッチンもいわゆる集合住宅用の木製キッチン。








それをそのまま利用しました。
ただし、吊戸棚は撤去、あとは壁タイル、キッチン扉すべてブラックに塗装です。
レンジフードはシンプルなブラック色のものに取り換え
その横にはお鍋や器を置くため、耐水加工をしている木製棚を2段取り付け、
そこにIKEAでLEDのランプを棚下灯として設置。

今回は自宅でもなく、また賃貸の物件でもあるので、コストは掛けない、というのも課題でした。
キッチンを新しくするとかなりコストがかかりますので、
塗装でがらりとイメージチェンジ。
(キッチンまわりの塗装などはちゃんとオーナーさんに了解ずみです)
照明はいわゆる照明メーカーのものは使わず、
大型家電量販店で買ったスポットライトを使っています。
ダイニングはIKEAのペンダントを使用。




通常賃貸というのは、壁も無難な白、床も明るいフローリング調になっていたり。




で、クライアントはまずこの緑色の壁紙からインテリアのイメージをスタート。
床は全体をダークグレーのカーペットで敷き詰めることにしました。
このオリジナル感はさすが、お店をされているオーナーさんの感覚。



そしてコストは抑えた空間でも、そこにクライアントの収集した絵画が
ところどころに架けられると、とたんに空間がグレードアップします。



ちょっとこだわったのは、この「月見障子」。
いわゆる和室で下から開ける雪見障子の逆バージョン。
繁華街ながら、見上げると近くの公園の緑が望めます。
昼間の障子の明かりというのもいいもの。



それから、押入れの襖、ダイニング側は装飾を兼ねて唐紙にしました。

もともとあった襖や障子を活かした和の演出。




セカンドハウスとしての遊びもあり、ある意味実験的な空間。
クライアントの大胆な発想、
私も楽しくお仕事させていただきました。




時代も国も特定できないような、住んでいる人も女性?男性?
家のようで家でないような、ちょっと不思議で面白い
そんなアパートの隠れ家が出来上がりました。







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