› 築45年の家に住む › 2014年11月

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2014年11月25日

フランスでドアについて考える。



ちょっと前のことになりますが
10月にフランスに行ってきました。









以前にも泊まったことのある、オペラ座の近くのプチホテル。
改装されてちょっとクールでモダンになっていたのですが。




シンプルな白い内装の壁にペイントがされています。
一瞬だまし絵のような。
モールディングといわれるクラシックな建物によく見られる装飾部材を
さらっと描いています。
(ちなみに壁と天井の境目の装飾である廻縁は本物のモールディングです)



こちらもマロンカラーのフラットなドアに白で、ドアの装飾枠が描かれています。
陰影とかも結構上手に描かれてますね。



日本のホテルにはない、遊び感覚がいい。
しかもドアノブは真鍮だったりするので、安っぽくないのがポイントですね。




本物はこんなカンジ。重厚感と装飾性が歴史を感じます。
日本と違ってやはり壁も厚いので、それに合わせて
ドアの枠なども幅の広いモールディングが施されています。

現代のデザインになってシンプルでシャープな建築になったらドアはどうなるの?
その解決方法がペイント! 
となるのも芸術の都パリだから?




今回の旅はパリからちょっと足を延ばして
憧れのモン・サン・ミッシェルに行ってきました。










憧れは20年前から。
このBrittany (英語でブルターニュ地方のこと)という本を見て
いつかは行ってみたいと思っていたのです。











モン・サン・ミッシェルはもちろんですが、
インテリアはもちろん木や家具が好きな私には、
このモン・サン・ミッシェルのカフェのような重厚な石と大きな梁のある
ブルターニュの家を見たかった。
ざっくりとしていながら、温かい雰囲気。




そしてブルターニュ地方の主都レンヌでは、
ブルターニュ博物館に立ち寄りました。












そこに展示してあったのは、ブルターニュの古い家具やドアの扉。
圧巻です。
個人的にはやっと出会えた、感動のご対面!
こっそり涙、出そうでした。



分厚い一枚扉に施された細かい彫刻。
地理的にも、ケルト民族の影響がみられるデザイン。



惜しげもなくつぎ込んだ時間と技がいとおしさを感じます。



貴重な素材が生み出す迫力や職人の技の中には、今では再現できないものもあるかもしれません。
だからこそ古いものを残す、守っていくことも大切なのだけど、
古いものを新しくアレンジして、現代の人にカッコイイ!と思わせる
そのテクニックはさすがフランス!

こんなところにも学ぶところがありました。













  


Posted by nobo at 16:25Comments(0)その他のこと

2014年11月04日

築40年繁華街アパートを飲食店のような住居にする。

9月にリノベーションさせていただいた物件をご紹介します。



場所は博多の繁華街のど真ん中、築40年くらいは経つかな、という、
古いアパートの一室。広さは約50㎡。
出来た当時は和室6帖2部屋+DKの形だったもの。

今回のクライアントは同じエリアに飲食店を経営する方。
「お店の近くで寝泊りするスペースとして、プラス
親しい方にここで食事やお酒を出して気軽に楽しむ場所にしたい。」

というのがご希望でした。



先日お伺いしたところ、家具なども整い、お客様もいらっしゃっていて
すっかりお店のような雰囲気になっていました。
間仕切りの襖を取り払い、2間をダイニングとベッドルームが続きの間になっています。



もとは、ご覧の通りホント昔のアパート。
収納はすべて押入れ、建具は襖です。


キッチンもいわゆる集合住宅用の木製キッチン。








それをそのまま利用しました。
ただし、吊戸棚は撤去、あとは壁タイル、キッチン扉すべてブラックに塗装です。
レンジフードはシンプルなブラック色のものに取り換え
その横にはお鍋や器を置くため、耐水加工をしている木製棚を2段取り付け、
そこにIKEAでLEDのランプを棚下灯として設置。

今回は自宅でもなく、また賃貸の物件でもあるので、コストは掛けない、というのも課題でした。
キッチンを新しくするとかなりコストがかかりますので、
塗装でがらりとイメージチェンジ。
(キッチンまわりの塗装などはちゃんとオーナーさんに了解ずみです)
照明はいわゆる照明メーカーのものは使わず、
大型家電量販店で買ったスポットライトを使っています。
ダイニングはIKEAのペンダントを使用。




通常賃貸というのは、壁も無難な白、床も明るいフローリング調になっていたり。




で、クライアントはまずこの緑色の壁紙からインテリアのイメージをスタート。
床は全体をダークグレーのカーペットで敷き詰めることにしました。
このオリジナル感はさすが、お店をされているオーナーさんの感覚。



そしてコストは抑えた空間でも、そこにクライアントの収集した絵画が
ところどころに架けられると、とたんに空間がグレードアップします。



ちょっとこだわったのは、この「月見障子」。
いわゆる和室で下から開ける雪見障子の逆バージョン。
繁華街ながら、見上げると近くの公園の緑が望めます。
昼間の障子の明かりというのもいいもの。



それから、押入れの襖、ダイニング側は装飾を兼ねて唐紙にしました。

もともとあった襖や障子を活かした和の演出。




セカンドハウスとしての遊びもあり、ある意味実験的な空間。
クライアントの大胆な発想、
私も楽しくお仕事させていただきました。




時代も国も特定できないような、住んでいる人も女性?男性?
家のようで家でないような、ちょっと不思議で面白い
そんなアパートの隠れ家が出来上がりました。