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2012年10月17日

レトロビルについて考える

最近とあるレトロビルに通っているのですが

レトロビルについて考える

福岡市上川端町にある「冷泉荘」。
築50年を超えるビルです。
もともと住宅用に建てられたようですが、

レトロビルについて考える
今では沢山のテナントが入っており


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ここはベーグル屋さん

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ここはYOGAスタジオ。
私が通っているというのはここなのですが、
古いままのコンクリートの壁にペイントをして
フローリングを施したワンルームは
以前はおそらく6帖2間、風呂なしの住居。
どことなくレトロな雰囲気と
大きなビルにはありえない
“風の通る”空間で行うヨガも心地よい。

レトロビルについて考える
その下の階にはスケルトンのままの空間を活かした
ギャラリースペース。

実は数年前にレトロビルの再生を学ぶべく
このビルの見学会にも参加したことがあるのですが、
当時からアートイベントの会場になっていたりと文化の香りもする活気あふれるコミュニティも出来上がっていて
このビル自体がブランドのようにもなっています。



レトロビルについて考える


昨年私も福岡市内のとあるレトロアパートの一室をリノベーション工事したのですが




古いビルの住居スペースをリノベーションする場合
レトロビルオーナーの側から見ると

設備関係(お風呂やトイレ)をリニューアルするのにコストがかかる
                   ↓
かかったコストを回収するために家賃をUP
                   ↓
マンションやアパートの供給が需要を上回る現状で、外見の古いレトロビルは
入居者がなかなか決まらない
                   ↓
お金をかけたのにもかかわらず、家賃を下げなければならない

というわけで、長年ビルを所有しているオーナーには
レトロビルをどうしていくかは、問題なのです。
(ちなみに私がリノベーションした部屋はリノベ工事終了から3週間で入居決定、一年あまり経ちますが、今でも住み続けていただいてます。ホッ。)


そんな中、この冷泉荘は住居用を思い切って自由な用途に開放し、
リノベーションコストもかけないことで
「安いテナント料」で借り手にもメリットがあるし、
博多の街中「川端商店街」に隣接し、
エリアとしても商業目的に向いているという点からも
成功している、福岡でも数少ない例。

「古いものを使うこと」が「エコ」だとか
「再生」だとか、
それよりも、ビルに出入りして感じるのは

どこかあたたかいということ。
オートロックのない、オープンな階段を
人とすれ違いながら行ったり来たりすることが
「いいね」と思える余裕をもった大人が
大事にしながら、そしておもしろがって
レトロビルを使っていけば
新しいビルにはない魅力ある再生ができるのではないかと
思います。


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