› 築45年の家に住む › 2012年01月

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2012年01月25日

木のカラーコーディネート

インテリアの仕事をする私。
中でも自分の得意分野として
木材を活かした、いわゆる「木のコーディネート」を
自分の特色のひとつ、としている中で
今回はちょっと特殊な木のコーディネートを経験しました。



商品の撮影用のバックグラウンドとしての「木の板」作り。

バックグラウンドというと、脇役で、
何でもよいのではないかと思われがちだし
最近は画像処理とかも出来る時代なのですが、
そこは、やはり、見えるのです。
質感、それも本物かどうか、とか。

撮影する商品は「SASAWASHI(ささ和紙)」という、くまざさを漉きこんだ和紙で
できた自然素材のタオルやウェア、リネン類。
そのテイストを活かすバックグラウンド。
だからこそ本物の無垢の板を、というこだわりのご要望なのです。




まずは福岡県大川市の木材市場で木材選び。
様々な種類の木の板に実際に商品を置いてみて
木目や色目の相性をみます。
今回は「スタンダードな木目」が美しい
タモ材に。
北欧家具などでよく使われるアッシュ材は
この種類です。








木は種類によって木目や色あいがちがうため、印象も大きくちがってきます。
たとえば、写真左側はイチョウの木。
まな板などに使われる、緻密な木目のため、こういう商品を置くと、
なんだかのっぺりとしてちょっとナチュラル感が感じられない。
そして商品の色がわかりにくいでしょう?
(ちなみに、このルームシューズ、それぞれ左右、違う色なんです。)

写真右側はタモ材です。木目がナチュラル感を出していて
あたたかい印象。商品の雰囲気と合います。

ただ、商品は色も多数あり、
そのすべての色が映えるように、
この木を白に塗る、というのが
商品メーカーの社長さんのリクエスト。




もちろん、木の質感も残すように、
今回は特殊な白のペイントに
胡粉を混ぜて、塗装。
塗装を3段階の濃さで塗り分けた
サンプルを作って検討です。
いつもながら、私の面倒な要望に
応えてご協力して下さる、
親戚の木材市場の叔父様に感謝です。




商品によっては小さいものもあるため
接写しても、木目が粗く見えないように、
木があまり主張せずに、でも本物感がわかる程度の
デリケートな白の塗装を施した
無垢の木のバックグラウンドが出来ました。

普段は無垢の木の色合いをそのままを活かした
コーディネートをする私も今回は勉強になりました。



  


Posted by nobo at 00:21Comments(2)その他のこと

2012年01月19日

隈 研吾 設計のスタバ(福岡県 太宰府天満宮参道)


昨年暮れにオープンしたというニュース以来、
見てみたくて、やっと行きました。
世界的に有名な建築家がつくると
スタバもこうなる。
しかも、土産物屋や
名物・梅ヶ枝餅屋などの瓦屋根の茶店が並ぶ
お宮の参道に。





参道を登ると、突然でてくる、屋根のない、スクエアな形。
奥に長い、「うなぎの寝床」のようなスペース。
そしてこの木組み。



奥の席から見ると、こんなカンジです。
おそらく地元・九州の杉でできた角材を組みながら
天井と壁を覆っている。
まるで、やぐらのような、はたまた広重の浮世絵に出てくる日本橋を
裏側から見ているような
木組みの美しさを体験できます。



この角度をつけながら編むように組んでいく、という
パターン。角材の太さといい、壁からの出っ張りをあまり出さずに
組んでいく角度といい、よく考えられていて、バランスがいい。
ソファの形状も、角度がそれとなく合わせてデザインされている。


でも、テーブルの天板や壁は構造用パネルのOSB(Oriented Strand Board)とか使っていて、
杉を使いすぎていないところも、重くならず、古めかしくならずに
うまい、と思う。
コストも抑えられているでしょうし。







カウンター上の照明は、角材と同じ形状の
ペンダント。
杉のシートを張って、同化してます。








もうひとつ、私がひそかにいいな、
と思ったのは、
この、つきあたりの外にある、
おそらく倉庫の扉。
屋内から続く壁と同じOSBの扉は、
壁と同化して
目立たない、けど、
折り上げた形状のステンレスの
ドアノブだけが、しっかり手掛かりになって、
そのモデストでありながらカッコイイのに、
グッときました。




地元の材を使い、周囲の昔ながらの街並みにも
浮くことなく、上手くなじみながら、でもデザインで
突出している。いろんな意味でバランス感覚のいい
建物だと感じました。

シンプルな構造にシンプルな材料でコストも抑えてあるし、
きっとクライアントともバランス感覚良く、人づきあいの上手な建築家なんだろうな、と想像しました。



  


Posted by nobo at 16:25Comments(4)その他のこと

2012年01月04日

温故知新~ウィリアム・モリスのインテリア

昨年、お世話になっているインテリアショップに暮れのごあいさつで
訪問したところ、19世紀イギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスの
壁紙やカーテンで作られたコーナーを目にしました。

福岡市野間の
マダム・ワトソン。
欧米スタイルの
エレガントな
インテリアを
提案しているショップ、
店内も輸入壁紙やカーテンで空間が作られています。

ウィリアム・モリスらが起こした
アーツ&クラフツ運動は19世紀のイギリス産業革命の機械化、
大量生産の時代に疑問を投げかけ、芸術と工芸に根ざしたライフスタイルを提唱したもの。
壁紙やカーテンも自然をモチーフにした、美しくて奥深いデザインが数多く、サンプルブックを見ていても飽きません。
左上の写真はザクロのパターンの壁紙。

このおそろいの柄の壁紙とカーテンなんて、
ナチュラルでシンプルな空間にちょっと取り入れたら、
甘くなり過ぎず、大人カワイイ空間になるのでは?

私は昔、ロンドンのオークションハウスの学校で
19~20世紀の装飾美術を学んだ事があります。
それが今のインテリアデザインやコーディネートを始めるきっかけになっているのですが、
時代と共に様々なインテリアのスタイルが生まれ、
その中でもアーツ&クラフツ運動は大きなエポックであり、モリスのデザインに
ついてももちろん学んだので、久々にモリスの空間に触れて懐かしく、
また新鮮でした。

ミニマムなインテリアが主流の現代にも、そろそろ素材や
デザインに深みのあるアイテムを取り入れて、
もっと個性的で装飾性のある空間をつくるのも良いのでは、と
150年前のデザインを前にして感じました。


  


Posted by nobo at 00:01Comments(0)名作デザイン

2012年01月01日

築45年の家から謹賀新年

2012年、あけましておめでとうございます。

このブログも始めてもうすぐ1年、
古い家の良さを見出しながら今の生活を楽しむ暮らしや
インテリア関係の事など、今年もお伝えしていきますので
どうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年末をバタバタを過ごし、年が明けて元旦は
我が家で静かに新年を迎えました。

私がこの家に住んで13年、その前から変わらない
我が家の新年の様子です。

床飾りはいつも生け花と鏡餅、そして「梅に鶯」の掛け軸。
生け花はお玄猪(げんちょ)と言われる、イノシシの頭に似ているところから
そう呼ばれる、鋳物の花器に活けています。お正月独特の花材(松、南天、柳など)を買いこんで
床の間らしく、勝手流ながら超スタンダードな和風に生け込むのが楽しい。

鏡餅は昆布やするめ、干柿を一緒に飾ります。
それぞれの由来をいつも義母から聞きながら飾るのが
季節の風物詩。



おせちは大晦日に義母とあーでもない、こーでもない、と
わいわい言いながらお重に詰めるのが年中行事。
料理上手な義母はおせちの具材や「がめ煮」を美味しく作って
今年のお重もいいカンジに出来上がりました。

お雑煮は「博多雑煮」。これも義母のスぺシャリテです。
中に隠れていますが、お餅は長年おつきあいのあるところから頂いた
杵つきの丸餅。これも古くから住んでいるたまものです。



今では少なくなりましたが、祝日には国旗を掲げるのも古いウチらしいでしょう?



皆様にとって新しい年が素敵な1年となりますように。
  


Posted by nobo at 15:53Comments(2)古いウチのこと